定価:897円(税込)
整理番号:タ-12-1
刊行日: 1996/07/10
力強く簡潔な文体と精彩あふれる描写で知られるタキトゥスの二つの小品を収める。『ゲルマニア』は、当時ローマ帝国に北方から脅威を与えていたゲルマニアの諸部族に関する民族誌。風土、習俗、制度などについての概説と各部族の記述からなる。野性に満ちて強力なゲルマニア人と、文明化し過ぎ頽廃・衰亡への道を歩むローマ人を対比し、警告を発する。『アグリコラ』はタキトゥスの岳父を描いた伝記。暴君のもとでの貴族の生き方を示すとともに、ブリタンニア(古代イギリス)の地理や民族を詳しく記す。
ゲルマニア(第1部 ゲルマニアの風土、民族、習慣、制度について 第2部 ゲルマニアの諸部族について)
アゴリコラ〔ほか〕
定価:999円(税込)
整理番号:ナ-4-1
刊行日: 1996/06/10
英語を読むのがこんなに楽しいものなのか。そういう気分を一人でも多くの人に味わってもらいたい。必要なのは、高校までの英文法の知識と、文脈・前後関係にたいする感性だけだ。英語を日本語に置き換える、暗記力だけが頼りの単調な作業はもう卒業。知性と感性をフルに使って「英語のこころ」を読みこんでみよう。テクストは、ノエル・カワードの喜劇『私生活』。男女関係の機微と、ユーモラスな会話の妙のすみずみまで、手練の著者が懇切丁寧に説き明かす。笑っているうちに、英語の力がグングン伸びること請け合いの、文庫版書き下ろし『英文読解入門』。
第1部 英文読解をめぐる12章
第2章 ノエル・カワード『私生活』を読む
定価:1,275円(税込)
整理番号:コ-6-1
刊行日: 1996/06/10
1492年、コロンブスが新大陸に第一歩をしるした年、カトリック・スペインは、800年間存続していたイスラム勢力を一掃するとともに、ユダヤ人の追放をも決定した。追放か改宗か。地中海を東へさまよう者、ポルトガルへ逃れる者。しかし、多数のユダヤ人は、みずから改宗の道を選ぶ。彼らは、「マラーノ」(豚)と蔑まれながら、異端審問の恐怖におびえ、迫害に耐えていった。そもそも固有の領土をもたないユダヤ人が、自己をも否認するという『二重の否定性』を身にまとうこと―この「マラーノ性」は、精神の奥深く刻印される。マラーノの足跡をたどり、マラーノ精神の体現者、スピノザ、マン、カネッティを語る、壮大な精神史の試み。
第1章 ユダヤ人の不安
第2章 ドイツのマラーノ
第3章 カバラ主義者の故郷ヘローナ
第4章 グラナダ一四九二年
第5章 火刑都市セビリヤ
第6章 コルドバの猶太人街
第7章 トレドの死の影のなかで
第8章 ポルトガル・マラーノの行方
第9章 棘族の末裔スピノザ
第10章 あるマラーノ研究者の運命
第11章 トーマス・マンの「マラーノ的」魅力
第12章 エリアス・カネッティ―ふたつの追放の言語をもつ作家
定価:999円(税込)
整理番号:ヘ-4-1
刊行日: 1996/05/07
翻訳書を読む。理解不能の文章にぶちあたり、頭を抱えこむ。自分の読解力のなさにうなだれる―そんな経験は誰にもあるもの。ご安心めされ。悪いのはあなたの頭ではない、翻訳なのだ。翻訳王国ならぬ「翻訳者天国」日本の出版界に跋扈する、誤訳珍訳悪訳迷訳欠陥翻訳の数々をバッタバッタとなぎたおす。連載200回余り、単行本にして計8冊に及ぶ「欠陥翻訳時評」から特に選りすぐった快刀乱麻の痛快な誤訳論。ケッ作翻訳の実態をとくとご覧あれ。
翻訳者天国ニッポン
刷数多きが故に貴からず
読書はナゾ解きではない
頭の持ち腐れ
ホン訳ならぬウソ訳暴訳
忘れられた読者
キセル訳の罰金は?
三つの才欠くクサイ訳
『自我同一性』の自己分裂
エントロピー的翻訳〔ほか〕
定価:999円(税込)
整理番号:フ-6-1
刊行日: 1996/05/07
『ルネサンス』とは何だったのか。フランス16世紀に生きた人間たちをよく観察してみよう。都市社会に定住する現代人から見ると驚くべきことに、法律家から商人まで、職人から学生に至るまで、誰も彼もが旅をしている。国王フランソワ1世は一年中領土を巡回しつづけ、宮廷はそのあとをキャラバンのようにくっついて歩く。その貴婦人たちの垢抜けないことといったら、これまた私たちの想像をはるかに超えている…。学芸の復興、美術の変革、宗教改革を軸に、この時代の人間と社会の具体像をいきいきと語り、『考えかたや習俗の総体』に迫ったアナール派第一世代による歴史叙述の傑作。
第1章 時代のなかの人間―ルネサンス期のフランス人
第2章 知の追究
第3章 美の追究
第4章 聖なるものの追究
定価:1,155円(税込)
整理番号:イ-12-1
刊行日: 1996/05/07
ページ数:352
社会の矛盾や歪みを映し出し、また民衆の欲求を吸いあげる新宗教。天理教、創価学会から幸福の科学、オウム真理教にいたるまで、時代や社会を反映する「近代日本に出現した新しい宗教システム」としての新宗教を読み解き、宗教史的・社会学的な観点で洞察する。新宗教はなぜ生まれ、どのような道をたどってきたのか…150年にわたり激しく息づき、現在もなお多様な活動を展開しているこれらの現象を追究・分析する。「混迷の時代とオウム真理教」を加筆。
1 新宗教はアブナイか
2 新奇なるものの宿命
3 憤る人と魅せられる人
4 突然変異細胞の出現
5 病のメタファ
6 変貌の表と裏
7 増殖と既成化
8 大型教団への道
9 異文化への挑戦
10 宗教情報ブームの時代
11 新機種まがい
12 衝撃の正体
13 混迷の時代とオウム真理教
定価:897円(税込)
整理番号:シ-6-1
刊行日: 1996/04/08
中世末から18世紀アンシャン・レジーム期のフランス―手写本から活字本へのドラスティックな移行という「グーテンベルク革命」のなかで、大量のテクストはどのように統御されていったのか。『テクスト』と『モノ=書物』と『読書行為』の三極を結びあわせる新しい秩序創出の課程を、読者共同体の成立、テクスト指名の基本原理としての作者の誕生、さらには普遍的図書館への夢、という視点から記述する。「グーテンベルクの銀河系」終焉に臨む現代から、清新な「読書のプラチック論」をもって起源の物語に迫る、興味尽きない仕事。
第1章 読者共同体
第2章 作者の形象
第3章 壁のない図書館
定価:1,173円(税込)
整理番号:イ-10-2
刊行日: 1996/04/08
天賦の表現力でわたしたちを魅了してやまないモーツァルトはその生涯の約三分の一を旅に過ごしている。故郷ザルツブルクを離れてイタリア、ミュンヘン、パリ、ロンドン、プラハ、そしと最期の地ともなったウィーン…勉学、求職、仕事と目的はさまざまであるが、旅先での経験が彼の音楽に与えた影響は計り知れない。海外での最新の研究をふまえながら、これまでの「モーツァルト像」を覆す新しい視点に立って書かれた画期的な評伝。
第1章 ザルツブルク
第2章 アマデーウスの耳
第3章 少年作曲家
第4章 イタリア
第5章 宮廷音楽家
第6章 遍歴の青春
第7章 自立への賭け
第8章 新たな門出
第9章 巨匠への道
第10章 オペラ・ブッファの世界
第11章 翳り行く日々
第12章 最後の年
定価:999円(税込)
整理番号:タ-11-1
刊行日: 1996/04/08
キリスト教伝来から弾圧、禁教をへて、明治期に禁制が解けるまで、わが国キリシタンの長い受難の歴史に刻印されたさまざまな伝説。それぞれの土地・風土に育まれたそれらの内容は、奇端・奇蹟譚、殉教譚をはじめ、事蹟の伝説から魔術・妖術譚まで幅広く、キリスト教の土着化と変容の姿をとどめている。各地から蒐集した伝説を時代順に配列し、時代背景、関連事項などを詳述した注を付す。歴史と物語をつなぐ接点に誘う労作。
1 許教時代―天文十八年(一五四九年)〜慶長十八年(一六一三年)
2 弾圧時代―慶長十八年(一六一三年)〜寛永十八年(一六四一年)
3 禁教時代―寛永十九年(一六四二年)〜明治六年(一八七三年)
“昭和のキリシタン伝説”
定価:999円(税込)
整理番号:ワ-6-1
刊行日: 1996/03/07
李朝時代、日帝時代、そして朝鮮戦争と打ち続いた激動の時代が過ぎ、資源ゼロ、技術ゼロの廃墟と化した韓国。そこから数年を経ずして雄々しく立ち上がり、今やアジアの雄ともいうべき国家となったこの隣国の強さの秘密とはなにか。韓国経済を特徴づける、財閥のエネルギー、輸出信仰、トップダウン経営などの精緻な検証をとおして、躍動するヴェンチャー国家をあざやかに分析する、格好の入門書。
序 私のなかの韓国
第1章 無からの出発
第2章 漢江の奇蹟
第3章 財閥―奇蹟の主役
第4章 苦悩する韓国経済
第5章 日韓経済関係をどうみるか
第6章 東・東南アジア経済圏のダイナミズム
第7章 その後の韓国経済
例.「宮沢賢治」→「宮沢」
叢書ウニベルシタス、講談社学術文庫、中公文庫、岩波文庫、ちくま文庫、みすず書房、哲学、思想、人文科学、芸術、美術、算法少女、復刊、悲劇、古本、イーブックオフ、古本市場...