定価:1,155円(税込)
整理番号:イ-17-1
刊行日: 1997/08/07
1945年、ハルピンでソ連軍に抑留された著者は、1953年に特赦で日本に帰還するまでの8年間、シベリア各地のラーゲリを転々とした。極寒の地での激しい強制労働、栄養失調、それに同じ囚人の密告などなど。帰還後、著者は自己の経験をすこしずつ詩に、そして散文に書きとめる。まさにそれは、その経験を語りうる統覚と主体の再構成を意味していた。本書は、「告発せず」を貫きながら,何より厳しく自己の精神と魂のありようを見つめつづけた稀有の記録である。
確認されない死のなかで
ある「共生」の経験から
ペシミストの勇気について
オギーダ
沈黙と失語
強制された日常から
終りの未知
望郷と海
弱者の正義
沈黙するための言葉
不思議な場面で立ちどまること
『邂逅』について〔ほか〕
定価:1,260円(税込)
整理番号:イ-16-3
刊行日: 1997/07/10
それ以前にはなかったもの、そしてそれ以後に生まれてきた諸物万般。明治維新を境として、欧米からもたらされ、現代の私たちの生活の基礎を築いたもの、電気・自転車・化学・哲学・新聞・音楽・会社、また、スキー・ゴルフ・バー・ビール・はじめての洋食の味などなど。いつ、だれが、どこで、いかに考え、そして取り入れ、自分たちのものとしていったのか。エンサイクロペディスト石井研堂が調べつくした、現代日本の文化・文明の始まり。いまだ攘夷の余燼くすぶるなか、いかに外国人とつきあったらよいのか。欧米の芸術は日本に何を与えたのか、新しい時代の宗教はどうあるべきか。第三巻「国際部」「美術部」「音楽部」「宗教部」。
第3編 国際部
第4編 美術部
第5編 音楽部
第6編 宗教部
定価:1,155円(税込)
整理番号:キ-5-1
刊行日: 1997/07/10
加齢とともに衰えていく身体の機能。脳もまた例外ではない。一般に“年のせい”“ボケ”と片づけられてきた老年期の心身の「故障」を症例ごとに分析・解説。血行不良による脳機能障害とアルツハイマーの違い、老人性うつと分裂病などについてわかりやすく詳述しながら、高齢化社会と老人の核家族化が進行するなかで、家族・地域・行政の果たすべき役割を探る。
第1章 はじめに
第2章 症例の紹介―生物学的要因による障害が大きい例
第3章 症例の紹介―人間学的要因による障害が大きい例
第4章 症例の紹介―作話的妄想発展
第5章 正常な「老い」と異常な「老い」
第6章 痴呆疾患の中核精神症状と周辺精神症状
第7章 「老い」の神経心理
第8章 老年期のうつ状態(気分障害)とその周辺
第9章 老人性痴呆疾患の問題行動
第10章 老人と家族の問題
第11章 医療介護
第12章 老化を防ぐ心身の健康管理
定価:1,208円(税込)
整理番号:マ-9-1
刊行日: 1997/07/10
戊辰の戦いに敗れた長岡藩に、その窮状をみかねた支藩三根山藩から百俵の米が届いた。河井継之助亡きあと文武総督となった小林虎三郎は、その米を金に換え国漢学校を建てることで、「敗戦国」の復興を企てる。「みんなが食えないというから、おれは学校を立てようと思うのだ。」幕末には、佐久間象山門下で吉田松陰(寅次郎)とともに「両虎」と謳われ、長岡藩にあっては河井継之助のライバルとして戊辰戦争非戦論を展開、維新後もその「遠望するまなざし」「万古の心」でナショナルなものを思考し続けた小林虎三郎の生涯を、歴史の闇のなかから救出する力作評伝。
第1章 小林虎三郎の時代
第2章 常在戦場という精神
第3章 河井継之助と小林虎三郎
第4章 象山と松陰を繋ぐもの
第5章 精神のリレー
第6章 幕末のパトリオット
第7章 戦わない論理
第8章 遠望するまなざし
第9章 小林一族の戊辰戦争
第10章 敗戦国の復興
第11章 後から来るものへ
第12章 終焉
第13章 ながい影
例.「宮沢賢治」→「宮沢」
叢書ウニベルシタス、講談社学術文庫、中公文庫、岩波文庫、ちくま文庫、みすず書房、哲学、思想、人文科学、芸術、美術、算法少女、復刊、悲劇、古本、イーブックオフ、古本市場...