定価:1,050円(税込)
整理番号:ア-12-2
刊行日: 1997/01/09
「マルクス主義的全体の統一とは、構造化された全体の統一である」「歴史的実在のなかで生産されるあらゆる諸現象のなかでも、現存する構造的諸関係に根源的転換を迫る事実を、一般的に言って歴史的事実と定義できる」。目的論的発展史観として解釈されていた旧来のマルクス理解にかわって、そのテクストの『構造論的』把握を試みた記念碑的著作―その初版(1965年)の完訳である。本書は、アルチュセールの論文「『資本論』の対象」を収録。マルクスのテクストが解析した「対象」の構造を明らかにし、イデオロギー的な歴史主義からの解放を試みる。
定価:1,377円(税込)
整理番号:イ-2-2
刊行日: 1996/12/10
光学装置の登場や交通機関の発達がもたらしたスピードとリアリティ、私的空間の拡大…これらの知覚の展開は、外部的空間の体験のみならず自らの内部の体験をも著しく拡大し、ひとびとの無意識と感性を一変させた。写真・観光・ショーウインドーからCG映像・SFX映画にいたるまで19世紀から20世紀の映像の総体を、「ジオラマ」的認識の拡張と、その装置の発展史としてとらえる。来るべき21世紀の感性を用意した、これらのイメージ空間をたどる卓抜なワンダートラベル。サントリー学芸賞受賞。
1 ジオラマ都市
2 画像と装置
3 大観光時代
4 ネクロポリスとしてのジオラマ
5 南島論、バリ、ヌレック・アイランド
定価:1,173円(税込)
整理番号:ヤ-9-1
刊行日: 1996/12/10
選挙やゲームや呑屋の看板でおなじみの、赤い衣と黒いヒゲ。ダルマの原形を洗い出す、本邦初伝の語録のテキスト。北魏末に中国を訪れた遊行僧ダルマ(達摩、達磨)とこの人を師と仰いだ人々の言葉を今日に伝える『二入四行論』全巻とその注釈の決定版。後代の禅の語録のモデルとなる問答と説法のすべてがここにある。中国思想史における、禅仏教の特色と功績が具体的に示される。型にはまった、しかつめらしい禅のイメージは毛筋ほどもない、みずみずしい実践の魅力が全巻に溢れている。今日知られる4種の版本と敦煌写本のすべてを校合する最前線の新しい定本。
定価:1,325円(税込)
整理番号:ワ-3-2
刊行日: 1996/12/10
現代哲学の二大潮流―一つは、ラッセルおよびムーアに始まり、カルナップを中心とする論理実証主義を経て、クワイン、ストローソン、オースティン、そしてローティへと至る英米哲学の流れ。もう一つは、カントに始まり、ヘーゲルらのドイツ観念論へと展開し、ニーチェ、ディルタイからフッサール、ハイデッガーの現象学に至る流れである。ところが、カルナップやクワインを熟読する人はヘーゲルをけっして繙読しようとしないし、フッサールやハイデッガーを愛読する人はラッセルを忌み嫌ってやまない。英語圏の哲学とヨーロッパ大陸の哲学との分裂を克服すべく、英米哲学の基本的主張を原理的に捉え直し、展望する、格好の入門書。
現代哲学への視点
英語圏の哲学とヨーロッパ大陸の哲学との分裂
哲学史的研究の方法態度
言語論的転回の前提とその基本態度
言語論的転回の成果と哲学の可能性
観念論論駁
常識の擁護
パラドックスと階型理論
記述の理論
論理的原子論〔ほか〕
定価:1,478円(税込)
整理番号:ヤ-8-1
刊行日: 1996/11/07
黒海とカスピ海に挾まれたカフカース、シルクロードの舞台・中央アジアのイスラーム世界は、かつてロシア帝国の領土だった。1917年の革命後ソビエト連邦に組みこまれたが、そこにはイスラームに帰依しながら独自のナショナリズムを保持する多くの民族が暮らしていた。ムスリムとしてのアイデンティティのもとで民族自決を目指したかれらは、ボリシェヴィズムといかに関わりあっていったのか。接近と離反、希望と挫折―複雑に絡み合う『イスラーム・ナショナリズム・社会主義』のトリアーデを、周縁民族の視角から記述する。ソ連崩壊をうけてにわかに紛争の火種となった地域の「問題の本質」を、ソ連解体と冷戦終結以前に提起した先駆的論考。
序 ロシアとイスラーム世界
第1部 「オリエント」のなかのロシア革命(イスラーム世界から見たロシア革命70年
ロシア革命と中東)
第2部 アナトリアのボリシェヴィキ(エフェたちのパルチザン
緑軍と「不可能な革命」)
第3部 スルタンガリエフ異聞(スルタンガリエフとムスリム赤軍
もうひとつの「ディアスポラ」とエスニシティ
ソ連のなかの「オリエンタリズム」)
第4部 スーフィーとコミサール(ヴァイソフ神軍考
カフカースのスーフィー)
定価:968円(税込)
整理番号:イ-14-1
刊行日: 1996/11/07
昔話は長い年月のあいだ、口伝えで生きつづけてきた。驚くなかれ、数百話の昔話を保有する語り手たちの数々―人類史上連綿と続いてきた口伝えの環が、いまや失われようとする最後時期に遭遇して、その秘密を、調査・採訪の旅からの報告を交えて解き明かす。無数の語り手と聞き手とが共同で伝承し、創造してきた昔話には、聞き手のあいづちの打ち方ひとつにまで形式が浸透している。語りはじめと結びの際の決まり文句、語り口、語句やモチーフの繰り返し、話の型などに着目、経験を受け渡す技術として口承文芸=昔話の核心に迫り、文字をもたない人々の奥深い知恵に耳を傾ける。
1 野の花と造花と
2 野外からの報告―今日の昔話(昔話をたずねて
語り手誕生
あいづちに結ばれて)
3 昔話の展望(年輪を追って
笑話の系譜
命あるものも命なきものも―鳥獣草木の昔話
語りの楽しさ
くりかえしの方法)
4 民衆のもの―昔話(昔話の生命力―伝承と創意
昔話は戦う
この大樹の未来)
定価:1,223円(税込)
整理番号:エ-1-2
刊行日: 1996/10/09
江戸は神田雉町の名主、斎藤幸雄・幸孝・幸成(月岑)が三代、三十有余年を費やして完成させた江戸の地誌。天保7年(1836)に出版されるや、たちまち「名所図会」ブームをまきおこし、多くの人々に親しまれた全7巻20冊の完全新訂版。江戸府内にとどまらず、西は日野、東は船橋、北は大宮、南は横浜まで、広大な地域の名所古跡・神社仏閣などを、詳細な現地調査と古典への博捜で記述した。それに付された長谷川雪旦の挿絵も興味が尽きない。本文庫では、漢詩・漢文は原則として読み下すなど、最も読みやすい本文提供をめざした。第2巻「巻之二」は、おもに、品川区、大田区、川崎市、横浜市などをとり扱う。
例.「宮沢賢治」→「宮沢」
叢書ウニベルシタス、講談社学術文庫、中公文庫、岩波文庫、ちくま文庫、みすず書房、哲学、思想、人文科学、芸術、美術、算法少女、復刊、悲劇、古本、イーブックオフ、古本市場...